令和5年3月31日雇用関係助成金 生産性要件を廃止予定

厚生労働省は、生産性向上の取組みを支援するために導入している雇用関係の助成金の「生産性要件」を、
3月31日で廃止する予定。
 
 

令和5年3月31日をもって、雇用関係助成金における「生産性要件」が廃止されたことは、
事業主にとって制度利用のハードルを下げる大きな見直しであったといえます。
生産性要件とは、企業の付加価値額や生産性の伸び率が一定基準を満たしている場合に、
助成金の支給額が加算されたり、優遇措置が適用されたりする仕組みでした。
この要件は、企業に対して単なる雇用維持だけでなく、生産性向上への取り組みを促す目的で導入されていました。

しかしながら、実務上はこの生産性要件の確認が非常に煩雑であり、
申請にあたって企業側の負担が大きいという課題が指摘されていました。
具体的には、過去の決算書類や付加価値額の算出など、専門的な知識を必要とする手続きが多く、
中小企業や小規模事業者にとっては利用しにくい要因となっていました。
また、コロナ禍においては業績が大きく変動し、生産性の客観的な評価自体が困難になっていた点も見直しの背景にあります。

こうした状況を踏まえ、令和5年3月31日をもって生産性要件は廃止され、
助成金制度はよりシンプルで利用しやすいものへと再構築されました。
この見直しにより、事業主は複雑な指標の算定を行うことなく、本来の目的である雇用の維持や人材育成、
労働環境の改善といった取り組みに集中できるようになりました。
また、行政側にとっても審査業務の効率化につながり、迅速な支給が可能になるというメリットがあります。

一方で、生産性要件の廃止により、企業の生産性向上へのインセンティブが弱まるのではないかという懸念もあります。
そのため、今後は助成金とは別の政策手段や評価指標を通じて、生産性向上を促進していくことが重要になります。
例えば、デジタル化支援や設備投資補助など、直接的に生産性向上に寄与する施策との連携が求められます。

このように、令和5年3月31日における生産性要件の廃止は、制度の簡素化と利用促進を図るための重要な改革であり、
今後の雇用政策の方向性にも影響を与える見直しであったといえます。